症状解説
小池整体・症状解説/その他:湿布について
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●湿布について
ブロック注射もそうですが、湿布の是非も、けっこう質問されます。
【湿布は時とともにその性質を変えている】
ひと昔前は、冷湿布と言えば、メント─ルやハッカ等を使った冷刺激があり、実際冷やす効果があるものでした。
対して温湿布は、唐辛子エキス(カプサイシン)などを使った温感刺激があり実際温める効果のある湿布を指してました。
これらを“第一世代の湿布”と呼ぶそうです。
対して、現在流通してる湿布は、上記のものと異なり、ほとんどが消炎鎮痛薬を使った“第二世代の湿布”というべきもので、ものによっては処方箋が必要な医薬品です。
「急性期の炎症がキツい時は冷湿布がいいです~」
とか、
「血行を良くして治癒を早めるなら温湿布のほうが~・・・」
といったアドバイスは、第一世代の湿布には当てはまりますが、消炎鎮痛薬を使った第二世代の湿布に当てはめるのは、正直どうかと思います( ̄_ ̄ ;)
【消炎鎮痛薬とはどんなものなのか】
発熱、発赤、疼痛、腫脹=腫れて赤くなって熱を持ってて痛い
という4つの現象を、炎症といいます。
この4徴を起こす物質のひとつに、プロスタグランジンというのがあります。
消炎鎮痛薬は、このプロスタグランジンの産生を阻害することで、炎症を抑えます。
炎症を悪いものと捉えると、「元から抑え込んでしまえ」という発想になりますが・・・、
でも、でもね、プロスタグランジンって、体にとってすんげー大事なんですよ実は( ̄□ ̄;)
例えば、道路を完全に塞ぐような自動車事故や多重衝突があったとしたら、すぐにレスキューや警察や消防を呼ぶでしょ。通報したり、「オーイッ!助けて!救急車呼んでッ!」とか。
車両火災が起きたら消火するし、怪我人が出たら搬送するし、潰れた車両を撤去して道路をいち早く開通させますよね?
プロスタグランジンは、トラブルが起きたときにめっちゃ働くヤツです。
壊れた組織に「修復材料を呼ぶ=血流を良くして大量の血液を集める」ことで治癒を早める、重要な存在なのです。
他にも胃粘膜の分泌促進なんて仕事もあるので、プロスタグランジンを阻害する作用が強いモーラステープを整形外科などで処方される時は、一緒に胃腸薬も処方されると思います。
モーラステープはそのお手軽感から、ベタベタと大量に貼付する方もいますが、副作用もある薬なので用法用量は絶対に守らないと酷いことにもなるので、扱いには注意が必要です。
詳しくはこちら→久光製薬。
用法を誤ると、こうなる…。
まあ、私の個人的見解では、たかだか筋肉痛や肩こり程度の痛みに湿布の使用は、ナンセンスかなと(笑)。治りを遅くするし、胃腸を傷めてしまう危険もある。
運動時の急性の筋肉痛や小断裂や捻挫あたりの炎症なら、氷などを使ったアイシングが良いでしょう。腫れて熱を持ってて痛みが強ければ、です。
現代の湿布は、炎症反応が強くて、とにかく痛くて辛くて…の時の手段、といったところでしょうか。。。
【炎症の意味をもう一度考える】
なぜ腫れて赤くなって熱を持つのか→壊れた組織を修復するため、血液が集まってくるから。新鮮な血液をどんどん呼んで集めて修理しているから。
なぜ痛いのか→「おーい!ここだよーっ!」と脳にお知らせしてるから。
炎症は、治癒への大事なプロセス と言えます。
健気に自分の体が傷んだところを修理してると思えば、炎症も少し愛おしく感じられるんじゃないでしょうか(笑)。
以上、諸々を鑑み、
「湿布は薬剤」という認識を持つべきで、気軽にホイホイ使わない方が良さそうです。
何でもそうですが、お薬は、使い方、使い時を誤らないことですね(^_^;)