症状解説
小池整体・症状解説/カテゴリー:その他
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● 線維筋痛症
ちょっと前までは
「何ソレ?」
というお医者さんも多かったと聞きますが、最近ぐっとメジャー感が増してきた
線維筋痛症(せんいきんつうしょう)
について。
【症状】
筋肉や関節が痛みます。痛みは軽度のものから、耐え難いほどの激痛までさまざまで、全身の場合もあるし、局所の場合もあります。
ほんのちょっとの刺激で激痛が走るようで、日常生活が普通に送れなくなります。
随伴症状もあります。出方はさまざま人それぞれ。
全身の疲労感、倦怠感、痛みに伴って睡眠障害→自律神経失調→集中力欠如→記憶障害など。
こわばり感、過敏性腸炎、頭痛。
リウマチなどの膠原病を併発することもあるそうです。
女性に多く発症します。年齢は30~50代くらいが多いそうです。
【原因】
分かっていません。
検査をしても異常を見つけられないのです・・・。
加えて、上記のように症状が多岐に渡るため、いろんな医療機関を渡り歩いた挙句、
「気のせいじゃない?」
と、心無い言葉をかけられ、途方にくれる・・・ということが以前はよくあったそうです。これはつらい・・・。
事故、手術、肉体的・精神的ストレスなどが引き金になって発症するのでは、という説もあります。
最近では、どうやら中枢神経系(脳や脊髄)の異常によって、痛みに関する“誤作動”が発生してるのではないか?と言われてきています。
もうひとつ衝撃的な報告もあります。
2009年以降に線維筋痛症を発症した10代(そもそも10代で発症するのが稀!)の8割が、子宮頸がんワクチンを接種していた
という・・・。
ソースは日本線維筋痛症学会作成のこれ。→子宮頸がんワクチンについて考える
線維筋痛症と、ワクチン接種後の副反応は同じものなのか、それともまったくの別物なのか・・・。今のところ判断しかねます。
今後の研究を注視していきたいと思います。
【正体不明の病気のため、診断基準もモヤッとしています】
・3ヶ月以上続く広範囲の疼痛
・定められた体の18ヶ所を約4㎏の強さで圧してみて、11ヶ所以上に圧痛(圧して痛い)を認める
ただ、この他覚所見として挙げられてる、
「18箇所のポイント」
というのが、大概の人(健常者)が圧痛を感じる場所なんですよね・・・(・_・;)
コレを線維筋痛症特有のものとするのには、ちょっと信頼性に欠けるのでは?とも思います・・・。
3ヶ月以上続く、広い範囲での疼痛
と、
膠原病や関節疾患などの、他の疾患の除外診断(検査での異常なし、という診断)
に加えて、
正確な触診・問診技術
が、ポイントになってくるのではないでしょうか。
症状をいろいろ総合して判断しなければならないので、お医者さんにとっても、診断を下すのが難しいということが分かります。
【治療】
治療法や特効薬は残念ながらまだ確立されていません。
普通の痛み止めでは効果が無い、というのもこの病の特徴です。
神経痛に作用する痛み止めとして、プレガバリン(商品名:リリカ)というのがありますが、人によっては副作用もあるようです。用法・用量には細心の注意が必要です。
一日も早く、この疾患の原因究明が進み、根本的な解決策が見つかることを祈ります。
私たちがやること、やれることは、常に変わらず。
低くなりすぎた痛みの閾値を上げる
脳や脊髄(中枢神経系)の血流を改善する
緊張・興奮状態を鎮静化する
呼吸の正常化
など。
少しでも、今ある痛みを軽減できれば幸いです。