ども小池整体コイケタロウです。
マーヴィン・ゲイに行ったので他のソウルに行くのも考えたんですが、ああここはこの続きを・・と思ってしまったのでディ・アンジェロなのかなと自然につながってしまいました。
実はこの人はワタシずっとノーマークで、95年のファースト、00年のセカンド、14年のサードの3枚しかまだ出してない寡作な人なんですけど、現在ネオソウルのムーブメントの立役者みたいに位置づけになってます。
マーヴィンの時代のソウルミュージックにジャズ・ファンク・ヒップホップの要素が入ってきた新しいソウルミュージックというのがネオソウルと言われてるんですけど、正直この辺のジャンル分けはあんまり判然としないというか、個人的にはディ・アンジェロ個人についてマーヴィンのエッセンスを感じる新しい展開の音楽、という気がしてます。
実際本人もマーヴィンゲイ、プリンスなんかから影響を大きく受けてると言ってるようですし。
2枚目の「Voo Doo」を最近聴く機会があってからの入りなんですけど、これが出た2000年ごろって自分は30代中盤だし、そのころは会社辞めて独立するかしないかみたいなころと音楽にそれほどコミットしてなかったというのと、まあこのジャケットで先入観優先で食わず嫌いだったので全くのノーマーク。
・・・・・ていうか、こんなんただのゴリゴリのラップのアルバムにしか見えないっすよ(笑)
ディープなラップに関しては当時ほとんど興味もなかったし完全にスルーしてました。
で、きっかけは忘れたんですけどホントに最近になってこのアルバムをはじめて聴いたら「あーヤバいなこれ・・・」ってなりまして。
確かにラップも入ってるんだけど、相対的な楽曲のクオリティーの高さと独特のリズムにやられたというか。
この曲とかスカスカの音の構成なんだけど強弱が各楽器ごとに絶妙で、最終的にしっかり盛り上がっていく感じがすごいしベーシストのピノ・パラディーノのプレイもカッコイイ。
ただ「聴きやすさ」という意味ではファーストの「Brown Sugar」のほうがいわゆるネオソウルらしさ満載で一番とっつきやすいかもしれないとは思います。
まあだから順を追ってファーストから入って「続き!」ってなるならセカンドの「Voo doo」にいって、それでもまだ追いたいなら「Black Messiah」まで行けばいいかもしれません。
この独特のモタるリズム・・・モタる、ってジャストの拍から遅れてることを言うんですけど、これを意図的に作り出すことで特有のノリを出してる。
で、この「ノリ」って何???ってなると思うんですけど、これに関してはずっと感覚的なものでしかなかったんですけど、コンピューターが音楽に導入されるようになった70年代にYMOがそれを使って拍を細かく分けて前にしたり後ろにしたりして、初めて突っ込みとかモタりとかの「ノリ」というものを解析した・できたって話があって、そういう意味ではやっぱりYMOってすごく先鋭的なグループだったんだなと思います。
なんかネオソウルとしての曲調の進化、というよりリズムに大きな、というよりごく小さな変更ではありますが変化をつけて新しいものを作り出した人としてはすごい才能だと思います。
まあ上から3個目のPVを見てわかる通り、歌・ギター・ベース・ドラム・鍵盤・作曲、全部できる人ですからその辺は当たり前なんでしょうけど、「いわゆる多くいるネオソウルフォロワー」の「なんとなくシャレオツな黒人の雰囲気音楽」的な上っ面感がまるでないんですよねこの人は。
来日するなら行ってみたいミュージシャンの一人です。
<続く>
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