ども小池整体コイケタロウです。
先日仕事場で少し時間があったので昼食を取りながら見れるものはなにか無いかなとアマゾンプライムビデオでコンテンツを見ていた時、ふと目に留まった映画があったんですね。
それが
【パーソナル・ソング】という映画で
このジャケットが興味をそそったのかなぁ
どんな映画かもわからなかったけど1時間ちょっとなので丁度いいや、ぐらいで見始めた。
そして見終わったときは不覚にも涙があふれてました。
認知症その他で介護施設に入所している人数はアメリカで約500万人。
そして明確な治療法はいまだによくわかっておらず、あまり効果が見られない投薬療法や運動療法が治療のメインであり、入所者の多くは何かが改善することもなく日々を過ごしている、というのが現状のようです。
そこで最初は一つの実験として
「その人の思い入れのある音楽・曲を聞かせてみる」
ことを実施してみたところ、それまででは考えられないような進展があったわけです。
若い時のことを何一つ思い出せなかった女性が少年期に好きだった曲を聞いた途端、表情が変わり当時のことを次々に思い出した。
他には日中ずっとうつむいているだけだった黒人男性に同様にしたところ、曲に合わせて歌いだしたり言葉のやり取りがその時はハッキリしたり、歩行器が手放せなかった躁うつ病の女性が踊りだしたり。
音楽は脳の広い領域を一番刺激するもので、聴覚だけでなく視覚にもかかわるし、感情や小脳にある運動機能にも関連するようです。
そして音楽は運動と感情をつかさどる脳の領域にきざまれるので、認知症によって忘れ去られることは無いようなんですね。
暴力的になったりする認知症患者もいますが、それは「もがき」であって、心の伝達手段なんですが、それを当然ですが周りが抑えることにより問題が伝えられなくなる。
そして心を閉ざす。
周囲に自分がコントロールされている感覚を持ち続けることになる。
ですが音楽は彼らに自発性を与えてくれる。
思い入れのある曲を聞くことで昔の自分を思い出す強力なきっかけになりうる。
さまざまな認知症やその他の症状を持つ人々がその人の「パーソナルソング」を聞いて即座に出る反応は、見ていておどろくべき神秘を感じるものでした。
見終わってからいろいろなことを考えました。
まず、「自分のパーソナルソング」は何だろう?
そして認知症とは違う、がんや事故などで脳死状態の人やうつなんかの生命力を発揮できなくなってしまっている人々についてこれは有効な部分もあるのではないか?
劇中でも言ってますが、ある地域を除いては老人の存在意義はほとんどないものとされてるのが現状で、生産性の低い老いた者の価値は蔑視される傾向にある。
これは自分もそうなることが確定的な未来において、希望を持てない社会が待っていることを意味するのに。
アメリカで医療行為として認められていないことと、予算の都合やその効果についての懐疑的な考えで、施設においてこの試みを実践するところは当初ほぼなかったようですが、いまでは600を越える施設でこの手法が導入されて今も増え続けているようです。
高齢化を迎えるこの国において・・・とかはまずはさておき、自分の父母、祖父母、またはその関係者がこういう状態にあるなら、ほとんどコストがかからない希望を持てる手段としてすぐにでも試してみることができるんじゃないだろうか?
考えてみれば高齢者の生活にステレオやCDプレイヤーで音楽を聴く・・・という環境はそう多くないように思います。
ただこの話をした人に聞いたところ、あくまで印象でしかないが、ラジオをずっとかけている生活の高齢者は認知症になっていない方が多いように思う、と。
人の声や音楽を聴いてるだけ・・・でもなにかしらの作用はする、というのが聴覚、音楽の力なのかもしれない。
自分が万一そういうことになったときに聴かせてほしい音楽として、自分のパーソナルソングを人に伝えておくのはちょっと面白いかもしれません。
自分で言えば中学の時に始めたバンドでやってたものすごく好きだったアーティストの曲や、聞けば即座にどんな時でも一発で「アガル」曲や、よく歌っていて何度聞いても飽きない曲や。
なんだろな、自分のカラオケで定番の「恋人も濡れる街角」(中村雅俊)やら(笑)、中学時代はまりまくった俳優の石橋凌がボーカルだったバンドのARB、ルースターズ、ボウイ、ストリートスライダーズ、オリジナルラブやら、ポールウェラーのTHE JAMの「IN THE CITY」やら、ベースがとにかく超絶カッコよくてほぼ全曲コピーしたジョージャクソンの1枚目と2枚目のアルバムやら・・・
まだまだありますが、認知症になっても確かにこういうのを聞いたら朽ちかけた自分の中の「ロックなコイケタロウ」が瞬時によみがえるかもしれない(笑)
いろんな方面でのヒントがあり、人間の生命力に触れて感激できる映画だと思います。
良ければぜひ見てください。
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