【ロックへの道(仮)㊵】~レゲエと一口で言ってもね・・・その④<ラスタファリズムとルーツロックレゲエ>~

ロックへの道(仮)

ども小池整体コイケタロウです。

 

レゲエを語るうえで欠かせないのがやっぱりラスタファリズムという思想というか哲学というか宗教というか、になるんですけど、ここを知ってるとレゲエを聴くうえで理解と深さが高まるんだと思います。

元々は公民権運動の流れを汲んだ思想なんですけど、アメリカのミュージシャンではビリーホリデイとかサムクックが当時の激しい黒人弾圧に音楽で異を唱えた流れがありました。

で、アフリカから奴隷として連れてこられた人たちが祖先だったジャマイカに1900年代初頭にいたマーカスガーベイという黒人人権回復運動の旗手になる人がいて、亡くなるときに「アフリカを見よ。黒人の王が戴冠する時、解放の日は近い」という声明を発表するんですが、その後エチオピアでハイレセラシエ1世(本名:ラス・タファリ・マコンネン)という黒人の皇帝が誕生します。

で、これはマーカスガーベイの信者にとっては予言がホントになったということで大騒ぎに。

言ってみれば現人神の出現であり、奴隷として扱われてきたジャマイカの黒人たちにとっては黒人のアフリカ回帰ムーブメントの王なわけです。

そらまあどうしたって盛り上がりますわな・・・

でも当のハイレセラシエ自身はこのムーブメントの盛り上がりをつゆ知らず、66年に何も知らずにジャマイカに行ったときに大量のラスタマンたちから熱狂的な歓迎を受けてドン引きしてた・・・っつう話もあります(笑)

ここらへんに時代の妙というか面白さがありますよね。

 

こうして起きたラスタファリズムが60年代初期あたりからの軽い感じのロックステディに乗っかって政治的・思想的なヘビーな内容のレゲエに変化していった部分はとても大きい。

レゲエを聴いてるとよく「バビロン」「ゲットー」「ジャー」「ラスタファーライ・ハイレセラシエ」「ガンジャ」「ザイオン」と言った歌詞が出てきますが、「バビロン=政府・体制・権力者・抑圧者」「ゲットー=スラム・差別区域」「ジャー=神」「ガンジャ=神の草・マリファナ」「ザイオン=アフリカ・天国」というフレーズなので、レゲエを爆発的に世に広めたボブマーリーも含め多分にラスタファリズムの思想を歌っている、ということになります。

アルバムのジャケットによく使われていたアイテムに、ラスタカラー・ライオン・大麻などがありますが、これは当時のエチオピアの国旗からきている。

元は旧約聖書の文言がその思想の源流になってたりするんですけど、その中に「髪や体を切るとエネルギーが失われる」という一説があって、それを信じたラスタマンたちは髪を伸ばし続けていわゆる「ドレッドロック」という髪型になってたんですが、その流れで病気になったボブマーリーは手術を拒否して30代の若さで亡くなってしまったということもあったわけです。

前に書いたレゲエの映画「ロッカーズ」の冒頭で相当気合の入ったドレッドロックスのラスタマンが出てきますが、まあもうドレッドというより茶色い洗濯板です(笑)

 

なんかですね、思うにホントに黒人への抑圧の歴史というものは本来は絶対あってはいけないものだったとは思うんだけれど、ブルースが生まれラップ(ヒップホップ)が生まれレゲエが生まれ多種多様な文化や思想が生まれたことを考えると、黒人の方たちへの多大なるリスペクトを感じざるを得ない。

われら日本人には到底わかりえない感覚ですから。

そんなラスタファリズムが盛り上がってレゲエが隆盛を極めつつあったところにボブマーリーが出てきた。

このセカンドアルバムに入っている曲をエリッククラプトンがカバーしたことでボブマーリー=レゲエは爆発的に広まったわけなんですが、ボブマーリー、というかバンドであるウェイラーズのサウンドがとてもタイトかつグルーヴィーかつポップでメッセージ性にあふれていたからこそ売れたのは間違いないと思うんですね。

 

範疇的にはルーツロックレゲエと呼ばれるところにボブマーリーは入る・・とされてますけど、まあ正直そんなのどうでもいいかなという感じです。

先にダブから入ってあとからボブに行った私としてはさっきのボブの曲と演奏の完成度にガッツリやられたというか、ほぼほぼアルバム買いました。

メジャーすぎてレゲエのディープな層からは逆に「えー?ボブマーリーかよ・・」なんて言われることもあったようですけど、あんたらスカシてちゃんと聴いたことがなかったんじゃないの?と思うぐらい素晴らしいアーティストだと思いますけどね。

とりあえずそんな中でも特にワタシの好きなボブを貼っときます(笑)

まーーーーーー

長かった!ホントにスンゴイはしょったけど長かった!

レゲエになんか手を出さなければよかったかもしれない・・・(笑)

まあでもロックにもヒップホップにもアンビエントなんかにも多くの音楽と交差する音楽としてレゲエをここで行っといたのはやはり正解だったのか。

今後が色々書きやすくはあるんですよね実際。

ほかにダンスホールレゲエもその後出てきますが、ワタシ個人的にそれほど好きではないジャンルなので割愛しますので、ご興味のある方は調べてください。

いうわけで

いいかげん本職のことも書こうかなとは思ってますが、とりあえずレゲエが終わってほっとしてます(笑)

ではまた

<つづく>

 

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